kisetsu200905_t.gif 5月・カルガモ



カルガモ
イラスト:折笠由香利
 
 
カルガモ【軽鴨】
Anas poecilorhyncha
Spot-billed Duck
カモ目カモ科
全長:約61cm

留鳥または漂鳥として全国に生息する。
見られる主な所は、湖沼、池、河川、内湾、港など
食べるものは、主に落ち穂や青草、根、種子


軽鴨という漢字名は日本名です。語源は、「軽という地名に由来する」という説があります。『万葉集』の天武天皇の皇女である紀皇女の歌に「軽の池のうらみ行き廻る鴨すらに玉藻のうへに独宿なくに」とあります。「軽の池」に藻が生えているから、この歌の季節は夏で、この季節に見られるカモは、冬鳥のカモではないので、夏でも見られるカルガモのことらしいとのことです。現在、カルガモといわれているカモは、この池の名前の「軽」とつけて、軽鴨といわれるようになったのではないかと推測されているそうです。江戸時代からは、"かるがも""なつがも"で知られていたそうです。

俳句の世界で、「鴨の子」として詠まれているのはほとんどが、カルガモの子と考えてよいそうです。カモの仲間は、繁殖期には、一部を除けば日本にはいないので、日本で子供を育てている姿がよく見られるカルガモのことだそうです。         

「日露渡り鳥条約」指定種、「ボン条約」附属書Ⅱ掲載種

参考文献:『世界鳥名事典』(三省堂)『ポケット図鑑 日本の鳥300』(文一総合出版)『山渓名前図鑑 野鳥の名前』(山と渓谷社)『鳥名の由来辞典』(柏書房)