3月・ヤマガラ
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イラスト:折笠由香利 |
ヤマガラ【山雀】 Parus varius Varied Tit スズメ目シジュウカラ科 全長:14cm 留鳥または漂鳥として、ほぼ全国に生息します。 見られる主な所は、平地から山地の比較的明るい林などです。 昆虫類やその幼虫、クモ類、草木の種子などを食べます。 英名では、Japanese Tit ともいいます。 平安時代から、"やまから""やまからめ"の名前で知られてきました。 "やまがら"の名は、山に住む"から"の意です。"から"はヤマガラ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラなどのよく囀る小鳥類のことらしいです。 ヤマガラといえば、昭和後半ぐらいまで、ヤマガラの芸というものが大衆芸としてありました。よく知られているのは、ヤマガラが小型の神社へ行き、賽銭を箱の中を入れ、鈴を鳴らし、神社の中からおみくじを持ってくるというものです。 自然保護の観点などから、ヤマガラを許可なく飼うことは禁止され、また社会情勢の変化などがあり芸を見せるということが衰退して、今や見られなくなってしまいました。 芸としては、江戸時代からあり、そのころは、おみくじ引き以外にも多様な芸を仕込んで見せていたらしいです。 鳥に芸を教えるということは、鳥にストレスを与えることでもあり、また保護の観点でもかならずしもよいとはいえないかもしれませんが、こういうものが見れなくなるというのは、ちょっと寂しい気もします。 参考文献:『世界鳥名事典』(三省堂)『ポケット図鑑 日本の鳥300』(文一総合出版)『鳥名の由来辞典』(柏書房)『ヤマガラの芸-文化史と行動学の視点から』(法政大学出版局) |