9月・トビ
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イラスト:折笠由香利 |
トビ【鳶】 Milvus migrans Black Kite タカ目タカ科 全長:60cm 留鳥として九州以北に普通に見られる。南西諸島では冬鳥としてまれに渡来。 海岸から高山帯までのいろいろな場所に生息する。 主に動物の屍肉を食べる。魚類やカエル、昆虫類などを食べるかなりの雑食 奈良時代から"とび"の名前で知られています。『日本書記』に神武天皇の大和平定の話に登場します。長髄彦との戦いで苦戦中、金色の鳶が飛来し、天皇の弓先にとまった。その鳶は光り輝き、形は、いなびかりのようであった。これにより、長髄彦の軍は、眩惑されて力戦できなかったとあります。 鎌倉時代には、"とみ"とあり、江戸時代では、"とんび"とも呼ばれました。 今では、鼻が長い翼をもった山伏イメージの天狗は、太平記などでは、鳶の姿をしていました。 名の由来は、「飛び」から来た説や、遠くを見る「遠見」から来たという説があります。 一年中見かけることがあるので、俳句の世界では、特に季節は決まっていません。 「日米渡り鳥条約」「日露渡り鳥条約」指定種。「ワシントン条約」附属書Ⅱ、「ボン条約」附属書Ⅱ掲載種 参考文献:『世界鳥名事典』(三省堂)『ポケット図鑑 日本の鳥300』(文一総合出版)『鳥名の由来辞典』(柏書房)『山渓名前図鑑 野鳥の名前』(山と渓谷社)『俳句の鳥・虫図鑑』(成美堂出版) |